信州のスーパーや道の駅で販売されるふところ餅本舗の「ふところ餅」。実は、ういろうで知られる愛知県の知多半島の名物なんです。正月についた餅が余ると、餅を粉に挽いて砂糖と水を加えて固めます。それを細かく切って天日に干したものが、ルーツで、「農作業の時にふところに入れて食べやすく温めた」ことが名の由来といわれています。
愛知・知多半島の名物を信州で発見!

ところが取材班が見つけたのは、信州のスーパーで。
なんで?
実は、この「ふところ餅」、三重県中部の稲作地帯でもローカル食としてお目見えします。ふところにこれを忍ばせて、おやつとしたことから「ふところ団子」とも呼ばれたそうです。
三重県松阪市の渡辺製菓舗の「ふところ餅」は、『第24回全国菓子大博覧会』で金賞を受賞した知る人ぞ知る隠れた銘菓になっています。冬の間の期間限定商品ということは、やはり、正月についた餅が余ると・・・をルーツにしていることの証でしょう。

米粉を水で練り、蒸して団子状にしたものに、砂糖・蜂蜜を加えてさらに練る、これを薄くのばすと、中京地区では「生せんべい」なるものが誕生します。やはりこちらも知多半島周辺がルーツのよう。
ういろう、生せんべい、そして「ふところ餅」。知多半島あたりを中心に、三重県から南信州までをカバーする米粉文化のひとつと考えてよさそうです。
